若竹そばとあられそば 始めました

 早春の種物、若竹そばとあられそばを始めました。

 ことのほか、素材そのものの持ち味をいかす工夫や季節感を大切にしてきた我々の日本料理の世界では、同じ季節に旬をむかえる食材で相性の良い組合せのものを「出あいのもの」と言って特に大切にしてきました。

 その中でも、春に土から顔を出す筍と海の中で育つ若布の組合せは、昔の料理人の方々が考え出した最高の「出あいのもの」の一つです。
 温かいそばの上で早春の海のものと山のものが出会う若竹そばは、あさだの季節の種物の中でも、とりわけ私の大好きなおそばです。

 あられそばは、江戸前の青柳の小柱を、お煎餅のあられに見立てて名付けられた、江戸風情ある小粋なおそばです。これから水ぬるむ季節にかけて、貝類は一番おいしい旬を迎えます。ちょっとぜいたくな春を感じさせる江戸前の海の幸をぜひご賞味してください。

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