搾りたての新酒 入荷しました

お正月から10日ほどたち、ようやく新年の仕事始めの慌ただしさから通常の落ち着きを取り戻してきました。

年明けから、今シーズンの搾りたての新酒をご用意しております。

本来、日本酒の新酒とは、その秋に収穫された新米を使って晩秋から冬の間に仕込み、新春から春先にかけて搾ってタンクに貯蔵して出荷をしていきます。それこそ冷蔵技術のすべがなかった江戸時代では、そこからひと夏を越え酒質が安定してくる秋口まで熟成させてから出荷していたそうで、江戸時代に新酒の時期と言えば秋だったそうです。

そして現代、ここ近年気の早い酒蔵では10月半ばから11月には新酒を出してくるところもあります。他よりも少しでも早く新酒を出したい、または新酒を取り置きたい、新酒を飲みたい、という酒蔵と酒販店と消費者の要望が相まって、まだ残暑が残る時期や冷やおろしを楽しんでいる頃に、早くも新酒が出回ってくるようになってきました。

初秋に収穫された新米を使ってそんなに早くお酒って醸造できるのかな、と不思議に思い酒屋さんに聞いてみると、どうやら前年に収穫された古米を使って醸造しているとのことでした。これって果たして新酒って言えるのかな、とちょっと複雑な気分になりました。

そこで弊店では、近年の早出しの傾向へのアンチテーゼとして私の個人的なルールではありますが年明け新年から新酒をお店で置くことに決めています。

新米を醸造した搾りたてのフレッシュで躍動感のある新酒ならではの華やかな味わいを、ぜひお楽しみください。新蕎麦の時期から程よく熟成し旨味の乗ってきたお蕎麦や、寒い時期に旬を迎える旨味たっぷりの海の幸、滋味あふれる根菜類・芽吹きの時に備え雪の中で栄養を蓄えている山菜類のお料理とよく合います。