木箱を作っています

お店は休みと言えど、常に何かしらのお仕事をしているのがオーナーシェフというもの。
数日前から、ランチタイムに薬味の皿を並べる用の木箱を作っていて、今は、重ね塗りの最中です。

もともと工作好きなので、お店の備品類はよく手作りをしています。もしかしたら、前世はこういった伝統工芸品を作っていた職人だったんじゃないかな、と思うほどに作っている時は気持ちがが入り込んでしまいます。特に、細かい作業や正確さが求められる工程では、ゆっくりじっくり丁寧にやることが大事で、作業に集中しているそんな時には不思議とじんわりとした安心感に包まれて心が落ち着いてくるのです。昔こんな仕事をずっとやっていたなあ、みたいな妙な懐かしさに似た感覚になることもしばしばです。

蕎麦打ちも含め料理は、スピードや瞬発力そして適度な緊張感が必要です。のんびり仕事をしていては、時間に間に合わずお客様をお待たせしてしまったり、美味しいタイミングを逃してしまったりしてしまいます。また、仕込みが多い時や忙しい営業時間などは、自分のこと以外にも、まわりのスタッフの仕事ぶりや各テーブルのお客様のお食事の進み具合のことなど、色々な事に気を配らなければなりません。

備品の手作りや修理をしている時は、そういったいつもの仕事に使っている神経や感覚を一休みさせて、普段はできない目の前の作業に時間を気にせず好きなだけ没入できるひと時です。きっと、そんないつもの仕事とは違うリラックスした心持ちでいれる時に、なんだか不思議な感覚に襲われるのかもしれません。

気がついたら、臨時休業も今日で12日目。家業を継いでから、こんなにお店を長く閉めてたのは初めてです。去年の夏休みの8日間を超えました
そして、まだまだ記録更新中。もうしばらく、お休みさせて頂きますがお許しください。