わらび餅の話

新茶の季節に合わせてこの時期に作っているのが、宇治金時のシャーベットです。

前に添えてあるのが、自家製のわらび餅です。

ご存知のように、わらび餅はわらびの茎からとれるでんぷん質で作りますが、市場には実にさまざまなわらび粉があり、驚かされます。

あさだでは、100%純正のわらび粉を使っています。純正とお断りしたのは、純正でないわらび粉が多くあるからで、純正でないものの方が一般的には広く使われているのではないでしょうか?

いつもわらび粉を買っている食材屋には、3種類のランクがあります。一つは、この本わらび粉で、価格は250gで3000円もします。キロ単価にすると12000円です。あさだで扱っている食材の高価なものランキングで三位に入る高級食材です。ちなみに、一位は松茸、二位はからすみの原料のボラの卵ですが。

そしてここからが問題です。この食材屋の中ランクに位置する普及版のわらび粉は、1㎏2000円で、ぐっとお買い求めやすくなりますが、肝心のわらびのでんぷん質は、たったの6パーセントで、他の94パーセントは蓮根からとれるでんぷん質やタピオカ粉なのです。

さらに、衝撃的なのが一番下のランクのわらび粉です。1㎏900円と大変に経済的なのですが、なんとわらびのでんぷんが入っておりません。それなのに、商品名はわらび粉とシールでちゃんと張られています。

本物のわらび粉は大変に粘りが強いので、あさだでは、7倍の水で溶いてから鍋で練り上げます。キロ単価だけを考えると確かに非常に高価ですが、約8倍量になるわけですし、そんなに大量に作るわけではありませんので、職人魂でやはり本わらび粉を使いたいです。

なにより、本わらび粉だけで作るわらび餅が一番おいしいのですから。

 

宇治金時のシャーベット.JPG わらび粉.JPG