若鮎の一夜干し

鮎の季節です。鮎料理と言えば、まずは塩焼きでしょうが、残念ながら弊店では、塩焼きはお出ししておりません。
その代わりと言っては何ですが、自家製の一夜干しを作ってご用意しております。

鮎を背開きにして、内臓と背骨を取り除きます。
開いた鮎は、塩をしてから干します。その際に、むしった蓼の葉を皮目に貼り付けていきます。鮎の焼き物には蓼の爽やかな香りとピリッとした辛さが欠かせませんから。
背骨は、開いた身とは別にカラカラに干して骨せんべいにします。
内臓は、叩いてペースト状にしてから塩をまぶしてうるか(鮎の内臓の塩辛のこと)に仕立てます。
ここまでが、前日までの下ごしらえです。

当日、注文が入りますと、一夜干しになった鮎を焼きます。その際に、うるかを酒でのばして表面に塗りながら焼いていきます。内臓のほろ苦さと蓼の香りが良く合います。背骨と頭は、素揚げしてせんべいにして、横に添えます。

一匹の鮎が、身と骨と内臓に分けられ、最後 お皿の上でまた一緒になって、鮎全部を頂いてしまう。そんなイメージで出来上がったお料理です。

 

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