残暑の頃の献立

お盆も過ぎて、少しばかり暑さも和らいできたように思います。

この時期に悩まされるのが、コース料理の献立作りです。

盛夏とも違う、初秋というにはまだ残暑が厳しい日もある。この頃を表すのにぴったりの食材というのが思った以上になかなかないのです。

お通しやコース料理の前菜など、うちにお見えになられたお客様が最初に口にするお料理では、なるべく季節感を出したいと考えているのですが、暦と体感する気温と市場に出回る食材とに一番大きなギャップができるのがこの時期といえます。

例えば、今、市場の八百屋の店頭で一番幅を利かせているのは、中国産の松茸なのです。実は、この時期の中国産の松茸は、品質・値段ともに大変お買い得な野菜で、秋本番となるころには、品薄気味で質の悪いものも多く、それでいて値段も三倍ぐらいに上がります。でも、だからと言って、今の時期に松茸を食べたいとはあまり思わないですよね。

旬を先取りして、秋の走りの食材が出回りだすこの時期の野菜では、なかなか残暑の頃の季節感を出すことができません。

というわけで、いろいろ悩みながらも夏の名残りの食材と初秋の走りの食材を組み合わせて、お盆明けはこんな献立を作っています。

 

・前菜の盛り合わせ

  あさだ味噌杉板焼き/揚げ新ぎんなん/かますの一夜干し からすみ掛け

  焼き茄子と芝海老のだだ茶豆のずんだ和え

  クジラのユッケ風

・小鉢 冷やしそば米汁のオクラとろろ掛け

 

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