暦の話

先週の節分の豆まきから十日ほどたち、翌日の立春から暦の上では春のスタートですが、まだまだ寒い日が続いています。

私の好きな本に、昔の暦のひとつ「二十四節気」と「七十二候」を扱ったこの二冊の歳時記があります。

料理の仕事をしていますと、季節を感じること、その折々の行事や旬の食材を知ることはとても大切なことで、修業時代から意識して食材の旬のことは勉強してきました。

ただ、昔の暦「旧暦」のこととなると、なかなか理解できませんでした。月の満ち欠けでひと月を作る太陰暦ですと、太陽暦とは少しずつ誤差が生じてきます。すると何年かに一回は、うるう月を入れて一年13か月の年があったとか・・・。頭ではなんとなく理解できても、なんともピンとこない腑に落ちない話です。

ですが、昔の人は大したもので、旧暦とは別に、ちゃんと一年を12等分、いや24等分、さらに72等分にまで分けた暦を作って併用していたんですね。これならば、農作業のスケジュールの目安にもきちんとなるなと、納得です。

立春から始まる歳時記を見ていると、昔の方が花や鳥や草木の息吹を感じ、自然現象のかすかな変化にまなざしを向けて季節の移り変わりを楽しみながら生きてきた暮らしぶりに思いをはせることができます。特に、七十二候の名前には、昔の方々の自然への観察力の素晴らしさがあふれています。

ちなみに、立春の末候に当たる今週は、「魚上氷」(うお こおりを いずる)。少しずつ暖かくなってきて川や湖の水がぬるみ、湖の氷が割れて魚が飛び跳ねてくるころ、をあらわしています。

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