鱈の白子

この時期、築地市場に鮮度の良い真鱈が入ると昆布締めを作ります。水分の多い身質の鱈は、昆布締めにすることで旨味が増し、もちっとした食感に変わります。北の地方では、町場のスーパーにも真鱈のお刺身が置いてあるそうですが、東京ではなかなか鱈のお刺身を食べれるお店がありません。ある意味、自分が食べたくて作っている料理のひとつです。

築地市場では、オスの鱈を仕入れます。新鮮なオスの鱈からは、良質な白子が採れるからです。鱈の旬は冬ですが、この時期は鱈の産卵期にも当たり、メス・オスともに卵と白子でお腹がパンパンになっています。

それにしても、オスの鱈のお腹を開ける度に驚かされるのは、その白子の量の多さです。この日は、約4キロの鱈を仕入れましたが、そのお腹の中には800gの白子が入っていました。体重の1/5が精巣ということになります。真鱈のメスは、一回の産卵で数十万から数百万個の卵を生むといわれていますから、オスもそれに対応するために精巣が大きくなっているのだと思います。

ちなみに、私たちが辛子明太子などで美味しくいただいているタラ子は、真鱈の卵巣ではなく、何回りも小さいスケソウダラの卵巣です。

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