冬の味覚の代表の一つ、あんこうを使ってコースの料理を作りました。
毎回、コース料理には、蕎麦がきを使った創作料理をお出ししています。この季節は、あんこう鍋仕立ての蕎麦がき料理をご用意しました。
最近では、築地市場に活きたままのあんこうがちらほら入荷するようになりました。あさだでは、石川県富山湾産の活けの2〰3キロぐらいの小ぶりのあんこう を使っています。このサイズですと、まな板の上に横たえておろすことができます。あんこうは、身はもちろんのこと、皮やひれ、内臓、えらにいたるまで捨て る所がないと言われるほど、どこも美味しくいただけるお魚です。それらは、「あんこうの七つ道具」と呼ばれ
鍋にはすべての部位を使います。
信州味噌と白粒味噌をブレンドした味噌風味のお出汁に、あん肝を裏ごしして溶き加え、小鍋仕立てでお出しします。白味噌の風味と柚子の香り、ゼラチン化してぷるぷるとした食感のコラーゲンたっぷりのあんこうの三位一体となった美味しさはこの時期ならではの楽しみです。
ただ、このお料理、提供するのにとても手間と時間がかかってしまい、年末の繁忙期にはちょっとお出しできそうにありません。ですが、なるべく皆様に食べていただけるよう、新鮮なあんこうが入手できたときには調理場をフル回転させてお作りしたいと思っています。